はじめに:分散化とは何か

メリアム・ウェブスター英英辞典では、分散化を次のように定義しています。
    “the dispersion or distribution of functions and powers”
    (機能や力の分散または分配)

ブロックチェーンの文脈においては、分散化とは主に、分散的な方法で分配された台帳の維持や更新を行う能力を指します。ここでの「分散」とは、中心的な存在を必要としないということを意味します。科学哲学や査読を通じて生み出された初の第三世代ブロックチェーン、Cardanoにとって、分散化はまもなくリリースされるShelleyにより実現されるものです。 Cardano開発の第二段階であるShelleyは、Cardanoに完全な分散化をもたらします。このような分散を実現した第一世代のブロックチェーンがビットコインです。分散化を実現したCardanoとビットコインは、正確には何が異なるのでしょうか。今回のブログでは、それぞれのエコシステムが全く異なる方法で分散化を維持していることをご説明します。

Cardanoとビットコイン:全く異なる分散化のルール

ビットコインでは、ビットコインマイナーが台帳の更新を行います。一方、完全な分散化を実現したCardanoにおいては、システムでステークを保有する人が台帳を更新します。すなわち、ADA(Cardanoのネイティブな暗号通貨)を持つ人は誰でも、Cardanoの分散化に貢献することができます。

ビットコインはどのような働きで分散化を維持するか

ビットコインでは、たくさんのレジが並ぶスーパーマーケットのようにブロックチェーンをとらえると分かりやすいでしょう。レジの奥にはレジ係がいます。レジ係は、顧客がかごいっぱいに詰め込んだ商品のバーコードをスキャンするたびに報酬を得られます。かごの中の商品のそれぞれがビットコインブロックチェーン上で行われる単一のトランザクションで、かご全体が一つのブロックだと考えることができます。ブロックは、さまざまなトランザクションの集積です。マイナーがレジ係であり、トランザクションがそれぞれ正当なものであることを検証します。このような貢献に対し、マイナーはビットコインで報酬を受け取り、ブロックがブロックチェーンに追加されます。

このスーパーマーケットには何百ものレジがあり、それぞれにレジ係がついていると想像してみてください。時間の経過とともに、顧客はレジ係のもとを訪れなくなります。レジ係(マイナー)は、次の顧客が来るまで何年も待たなくてはいけません。ビットコインのマイニングの難易度が上がると、このような状況が生じます。マイナーの数が増えるほど、個人がトランザクションのかごを検証する機会は減少します。すると、レジ係はレジを統合するようになります。小さなレジがたくさんあるよりも、少数の大規模なレジを作ろうとするのです。商品(トランザクション)の入ったかごが現れるたび、それぞれのマイナーはこの大規模なレジで検証を手伝います。結果的に、一人ひとりのレジ係(マイナー)は報酬のうち一部のみを受け取ることになります。こうしたレジ係のグループや大規模なレジは、マイニングプールと呼ばれています。

ビットコインというスーパーマーケットでは、このようなマイニングプールのうち4つがビットコインの台帳を維持し更新する作業の50%を実施しています。以下で示されるように、ビットコインを維持する力は単一の存在のみに依存しているわけではありません。その力は多くのプールの間に分散していることから、ビットコインは分散化されていると言うことができます。ブログの冒頭でご紹介した定義にも合致しますね。

出典: https://www.blockchain.com/en/pools

分散化されたCardanoはビットコインよりも効率的と言えるか

Cardanoはビットコインとはかなり異なる方法で分散化を実現しますが、似ている点もいくつかあります。スーパーマーケットのたとえを使うと、トランザクションのかご(ブロック)をCardanoブロックチェーンに追加するレジは、Cardanoの場合はコミュニティメンバーにより管理されます。サーバーをセットアップしトランザクションを処理するために、レジにはコミュニティメンバーが必要となるのです。レジの管理者はこうした設定に対する時間や成果に対する報酬を受け取ります。しかしADAの保有者の多くは自分でレジを運営することに関心がありません。通常、ADA保有者はコインをレジの管理者に委任することができ、トランザクションのかごの検証に参加した報酬を獲得します。ビットコインの場合はこのようなレジは「プール」と呼ばれています。一方、ADA保有者は自身の「ステーク」をシステム内で割り当てており、これは「ステークプール」と呼ばれます。

多くのコミュニティメンバーがADAを特定のレジ(ステークプール)に委任すればするほど、ステークプールの規模は拡大します。これは先ほどのビットコインの、4つのプールがブロックの大半を処理している状況と同じようにも思えます。しかし、まさにこの点でCardanoはビットコインと大きく異なるのです。レジ(ステークプール)が規模の上限値に達すると、レジの一員であることに対する報酬額は固定されます。これは飽和点と呼ばれます。飽和点以下のステークプールでは、より規模の大きい飽和したプールよりも高額な報酬を受け取れる可能性があります。

Cardanoは、少数の超大規模レジがブロックチェーンのトランザクションのかごの大多数を処理するのではなく、多数の小規模なレジがトランザクションのかごを処理できるよう設計されています。こうした設計の利点は非常に大きいと言えます。エコシステムの分散を維持するための能力は、ビットコインよりもCardanoの方がはるかに強力です。さらに、多額のADA保有者であってもネットワーク全体のコントロールを支配することはできず、小規模なステークホルダーが承認を必要とすることなくステークプールへの参加・形成を行うことができます。

分散化こそCardanoの目的であるため、ステークプールの数を出来る限り多くすることは理にかなっています。Cardanoは1,000ものプールを効率的に運用しています。これは、ビットコインブロックチェーン上の取引の多数を処理するプールの合計数を大きく上回ります。Cardanoでも、ステークプールはネットワーク全体の0.1%の利益を得ることができます。

最後に

どちらも分散化を実現してはいるものの、ビットコインブロックチェーンはCardanoと比較すると、より少数のプールに収れんしています。Cardanoは、エコシステムの分散化に貢献するよう、より多数のステークプールにモチベーションを与えることができます。まもなくShelleyの幕開けとともに、Cardanoの完全な分散化の時代が始まります。Cardanoブロックチェーンの分散化に誰もが加わることが出来る、新たな多くの機会がもたらされるのです。Cardanoの開発段階は、Cardanoロードマップに明示されています。ビットコインもCardanoも分散化を実現していますが、その方法は大きく異なります。分散化における重要な特徴は、ブロックチェーンを維持し更新することのできる人の数に現れます。ご紹介してきたように、ビットコインブロックチェーンはこの数が非常に少数である一方、より多数によって維持されることを目指しています。

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